中村 亮

 今回のニューヨーク視察に参加させて頂いた中村亮と申します。現在太陽光発電所や電気設備の点検や保安管理のお仕事をさせて頂いています。この1週間、貴重な経験をさせて頂きありがとうございました。この研修を通じて、普段の生活では得られなかった価値観を知ることができました。今回の研修で大きな学びとなったことが3つあります。

 1つ目は、日本とアメリカの物価の違いです。お水1リットルを買うのに数ドルかかることも珍しくない価格に驚きを隠せませんでした。お水に限らず、日本と同じものを買うのに倍以上の値段がするのは、帰国した今でもこの衝撃は忘れられません。

2つ目は伊藤忠インターナショナル会社へ訪問した際のことです。結論から申し上げると、時代を先取りしているという印象を受けました。こちらでは発電所のほかに蓄電所という発電した電気を蓄えて、夜など必要に応じて電気を送る設備を扱い、既に運用しているとお聞きしました。この視察以前に蓄電所に関しては話を聞いたことがある程度で実際に取り扱っているという話は初めてでとても興味深い内容でした。

 3つ目はミュージカル『アラジン』の鑑賞です。恥ずかしながら自分は英語を話すこともできなければ、聞いて理解することも苦手です。あらすじは事前に知っている程度で楽しめるだろうかという不安がありましたが鑑賞後、すべて杞憂に終わりました。素人ながら演者さんの演技、話し方などがとても魅力的で、その世界に吸い込まれるような雰囲気が言語の壁を越えてこちらに伝わってくるようでした。表情やその場の雰囲気が合わさって何を言っているのかは分からなくても、何を話しているのかは伝わってくるのでとても楽しめました。同時に、英語ができるようになればもっと楽しめたと思うと少しもったいない思いですが、今から少しずつ英語を勉強していこうと思える良き機会でした。

 最後にこのニューヨーク視察はかけがえのない思い出です。見るもの体験することすべてが初めてで驚きの連続でした。一週間自分達の安全を見守り、貴重な体験を経験させてくださった原哲明様、原秀子様、高野京子様、大変ありがとうございました。


上玉利 佳音

 この度は海外研修に参加させていただきありがとうございました。異なる文化の中で生活し、新しい価値観に触れることは、私にとって大きな楽しみです。東京での生活や、2ヶ月間のフィリピンでの語学留学を通じて、それぞれの土地の文化や人々の暮らしを学ぶと同時に、自分自身の価値観を見直す機会にもなりました。今回のニューヨーク研修もその延長線上にあり、わずか1週間という短い期間でありながら、数えきれないほど多くの気づきを得ることができました。 

 ニューヨークでは、在ニューヨーク日本国総領事館の方々から異国で暮らす日本人を支える責任や役割の重さを学び、国連本部では国際社会の課題解決に向けて取り組む人々の姿に触れました。また、伊藤忠インターナショナル会社を訪れた際には、世界を舞台に人やモノを動かし、新たな価値を生み出すビジネスの力を強く感じました。こうした訪問先で伺ったお話や現場の空気は、これまでの自分の経験を照らし合わせながら深く考えるきっかけとなりました。

 街歩きの中では、摩天楼に象徴される都市のエネルギーと、歴史的な建物や地域の文化が息づく街並みの調和に心を打たれました。自由の女神やグラウンド・ゼロ、ハイラインといった象徴的な場所を訪れることで、歴史や記憶がどのように現代の都市空間に息づいているのかを体感することができました。建築を学ぶ自分にとって、これらの風景は大きな刺激となりました。

 私は将来、料理人として自分の店を持ち、その空間を自ら設計したいという夢を抱いています。ニューヨークで出会った多様なレストランやカフェ、そこに集う人々の表情に触れたことで、「料理と空間づくりを通じて人々を幸せにしたい」という思いが、より一層具体的な目標として形になりました。

 さらに、現地で出会った方々との対話を通して、異国で暮らす中での挑戦や責任感、社会に貢献する姿勢を学ぶことができました。また、移動や食事の合間に仲間と交わした何気ない会話や笑顔も、私にとってかけがえのない財産です。

 この研修で得た学びや体験を糧に、今後は料理と建築の両面から人々に喜びを届けられるよう努力を続けていきたいと思います。最後に、このような貴重な機会を与えてくださった皆様に、心より感謝申し上げます。


齋藤 帆乃佳

 この度、令和7年度のニューヨーク視察に参加させていただきました、齋藤帆乃佳と申します。私は現在大学で犯罪社会学を研究しております。世界中から多くの人やモノが集まるニューヨークという土地で、どのように人々は暮らし、その社会統制はどうなっているのか。また、世界中の人々は何を求めてニューヨークに足を運ぶのか。たくさんの関心を持って今回の視察に臨ませていただきました。

 今回の視察で、私たちは在ニューヨーク日本国総領事館、9.11メモリアル、国際連合、伊藤忠インターナショナル会社など、様々な施設を巡りました。その訪れた場一つ一つで新鮮な発見がありました。この文章の中には書ききれないほどの学びがありますが、私がこの研修の中で特に考えたことについて書かせていただこうと思います。

 私は、7日間のプログラムの中で、「ものや人の価値/価値観」について多くの学びを得たように感じます。「価値」は様々な物に、様々な人から与えられるものです。ニューヨークでは、日本で捉えることのなかった価値や価値観に触れることができました。
 初日には1ドル150円のレート下で10ドルの軽食を買うことに少し躊躇し、当たり前のことではありますが、国によって自分の持つ「お金の価値」が変わることを実感しました。
 2日目には、9.11メモリアルに刻まれた、多く犠牲者の名前をなぞり、「人の命の価値」に向き合いました。小さな花が添えられている名前もあり、テロによる深い悲しみが遺族にも未だ残されていることを感じました。
 その次の日の夜にはマンハッタンで銃乱射事件が起こったことも、命の価値を考えたきっかけのひとつです。 (私たちは事件当時、現場から離れた安全な場所におりました。)
ニューヨークで目にしたもの、手にしたもの。これらの全てが、これまで私が知らなかった、もしくは忘れかけていた価値を私に教えてくれたように思います。

 今回の視察では、様々な土地をめぐり多くの知識を得ました。しかし、それだけでなく新しい人との出会いがありました。高野さんや原さんと繋がりのある方々と実際に出会い、お話することで、ニューヨークで生活することに対する思いや、人生観、キャリア観など様々な貴重な考え方に触れることができました。
 
在ニューヨーク日本国総領事館の職員の方からは異国の地で日本人の生活を守る責任を、伊藤忠インターナショナル会社の皆様からは社会にあるものや人を動かして価値を生み出すビジネスの力を、ウェストポートで出会ったキャロルさん夫妻からは自分の持つ時間やお金を社会のために使う慈善的なマインドを教えていただきました。
 
これらの貴重なお話を聞きながら、自分の持つ価値観や考えと擦り合わせてみることで、「自分は一体何に価値を感じるのか、それはなぜか。今後私は社会の中でどう生きていきたいのか」と改めて考え、等身大の私を見つめ直すことができたように思います。
 ここでは書ききれませんが、お食事の際にお会いした方からも、自分の人生における時間をどんなことに費やすのか、そのビジョンや考え方をたくさん教えていただきました。この場を借りて今回の視察でお会いし、お話してくださった皆様に改めて感謝申し上げます。

 ここまでプログラム内で得られた学びについて述べてきましたが、プログラム外の何気ない会話や、小さなやり取りも私にとってはかけがえのない、価値あるものです。
高野さんとハイラインで並んで歩き話した時間、
秀子さんと並んでみんなの背中を追って歩いた街中の景色、
哲明さんと食卓の隅で人生相談をしながら飲んだワイン、
 ニューヨークでの新鮮な体験に喜ぶみんな(私含む)の笑顔など、プログラムには残らない思い出が帰国して時間の経った今でも鮮やかに思い出されます。この思い出は間違いなく今後の私の人生のなかできらりと光る宝物になるでしょう。

 今回のニューヨーク視察にあたりまして、原哲明様、原秀子様、高橋京子様、勤労青少年協会の皆様には、たくさんのご支援を賜りました。本当にありがとうございました。
 今回のニューヨークでの経験を活かし、1人の社会人として社会に貢献できるよう精進します。
 最後に、今回のニューヨーク視察に参加させていただけたことに改めて心より感謝申し上げます。


村山 斗弥

 今回の海外研修に参加できてものすごくよかったなと感じています。父のおかげもあり小さいころから海外に対してものすごく興味がありました。いつか行けるだろうと思っていたら、こんなにも早く海外に行けるチャンスをいただけたときは嬉しすぎて震えました。そのうえ、初めての海外がニューヨークなのもとても嬉しかったです。日本と異なった文化を肌で感じてきましたがいろいろなものが新鮮で、見たもの、感じたものすべてが美しく感じました。その中でも最もよかったのがいくつかあります。

 一つ目は、初日の夜に行ったロックフェラー・センターです。ロックフェラー・センターの最上階に着き、そこで見た景色は今でも覚えています。ニューヨーク全体を見渡せる所で、そこで僕が今本当にニューヨークにいるのだなと実感しました。夜になるとまた違った景色で、ものすごく綺麗でした。ニューヨークのビルやお店の光が際立ってまさに”宝石”のようでした。

 二つ目は、郊外の高級住宅街West port です。ニューヨークシティと全く違った雰囲気ですごく穏やかな場所でした。そこで高野さんのお友達のキャロルさんに実際にどのような生活をしているかを聞きました。僕の今までの生活と比較してみて、違うところがたくさんありとても面白かったです。このように実際に住んでいる人に聞けることなど中々出来ないことであり、貴重な体験ができたなと思いました。他にも、僕は今回の海外研修で行ったところでこのWest portが一番好きな場所でした。ここの雰囲気が今も住んでいる自分の町と少しだけ似ていることもあり安心感がありました。

 3つ目は、少し違った視点から感じ取ったことです。ニューヨークの人たちは何か些細な事でも「Thank you」や逆に僕がありがとうと伝えた後「You’re welcome」と一言あるあの文化はすごくいいなと感じました。日本人も「ありがとう」を言うことはありますが、「どういたしまして」を中々聞かないです。僕も代わりの会釈ぐらいはしますが、「どういたしまして」「きにしないで」の一言があるのはすごく素敵だなと思いました。

 最後に、今回の海外研修を通して僕のやっているお仕事について考えてみました。今僕は父のもとでワイン用のブドウ栽培をしていますが、このお仕事を何に繋げていくのか、何のためにしているのか、何の目標をもってやっているのかを改めて考え直しました。これから先のワイン栽培で関わる人達がもっとたくさんできて、よりグローバルになるのではないかと勝手に思ています。「移動した分だけ、事が動く」この言葉の通りになるように今回の海外研修で学んだことを活かして、さらにブドウ栽培家として世界に飛躍出来たらと思います。

 今回は、原哲明様、原秀子様、高野京子様、そして一緒に参加した皆さん、海外研修で関わってくださった皆さんに本当に感謝しています。本当にありがとうございました。


島村 樹和

 この5日間、本当に貴重な経験をさせていただきました。

 まず、ニューヨークの活気あふれた雰囲気に圧倒されました。お店でHave a good dayやenjoy!と言っていただけたり、ホテルですれ違った人と挨拶を交わすことは、今まで日本でしか過ごしたことのなかった私にとって新たな体験でした。ニューヨークは想像していたよりはるかに多種多様な人々が集まっており、どんな人も受け入れる雰囲気がありました。私はニューヨークに行かせていただけると決まった時に、アジアンヘイトを向けられないだろうかと心配でした。しかし、ニューヨークで会った方達は電車の席を譲ってくださったりエレベーターを開けてくださったりと、親切な方が多かったです。全ての方がこのように優しいわけではないと思いますが、海外に住む人たちは自分たちと違うとどこかで区別してしまっていたのかもしれません。日本は島国で、どうしてもニューヨークのようにウェルカムな雰囲気を作り出すことは難しいです。そしてその中で、少なからず外国人に対してステレオタイプを持つ人は多いでしょう。私はジャーナリズムを専攻しており、ニューヨークで出会ったような素敵な方々が海外にもいること、日本人と何ら変わりないことをメディアを通して伝えたいと思うようになりました。そして、日本に住む海外の方への偏見や異質の眼差しを少しでも無くしたいです。

 今回ご一緒させていただいた視察のメンバーからもたくさんのことを学びました。この視察で良かったことの1つは2人部屋だったことです。慣れない場所で、初対面の方と5日間宿泊することで自分の未熟なところを知ることができました。この視察を通して英語に対しての考えも変わりました。今までは英語は勉強の対象でしたが、ニューヨークに行って実際に英語で話したり英語のテレビ番組が流れているのを見て、英語が身近なものに感じられました。私は海外に行く自分の英語が通じて本当に本当に嬉しかったです。

 5泊7日間でたくさんの方々とお話しさせていただきましたが、皆様に共通していることは人との繋がりを大切にしている点だと気づきました。この研修でお話しさせていただいた方との繋がりをこれからも大切にしていきたいと思います。

 原哲明様、原秀子様、髙野京子様、海外派遣メンバーの5人、そして支援してくださった協会の会員の方々全てに感謝しております。

 本当にありがとうございました。


小久保 茉央

 異なる文化の中で生活し、新たな価値観に触れることは、私にとって大きな楽しみです。秋田県での大学生活やフィンランドでの留学など、さまざまな地域での暮らしは、その土地のことはもちろん、生まれ育った東京や日本を知る機会でもありました。今回のニューヨーク研修でも、特別で充実したプログラムで、1週間とは思えないくらいに様々な気づきを得ることができました。これまで暮らしてきた東京、秋田、フィンランドでの生活や文化と照らし合わせながら、ニューヨークの街を歩き、特に印象に残ったのは、働き方とコミュニティ開発への考え方の2点です。

 1つ目の働き方について、今回のニューヨーク研修では、アメリカの文化とそこに住む人々の暮らしを間近で体感することができました。この研修の魅力は、高野さんや原夫妻のお知り合いで、現地に住む方々と出会い、お話をする機会がたくさんあることです。現地の方とお話しするなど、普通の旅行ではなかなか得られない機会です。ニューヨークで働かれている日本人の方や、日本での在住経験があるアメリカ出身の方など、バックグラウンドは様々です。そして、お仕事も商社、領事館にお勤めの方、テレビ関係、学校の先生、演奏家など、幅広い分野の職業の方のお話を聞くことができました。私はここ最近、自分のキャリアや働き方について考えることが多かったので、非常に勉強になり、とても嬉しかったです。働き方に関して驚いた点は、ニューヨークの働き方は北欧のようなワークライフバランスを重視というより、競争社会で長時間労働という印象を受け、どちらかといえば日本に近いと感じました。フィンランドでは仕事は生活の一部に過ぎず、趣味や家族との時間へ重きを置いている人が多いですが、ニューヨークでは、働くことが自己実現や人生の成功に直結している印象を受けました。もちろん個人差はあるとは思いますが、私はアメリカもフィンランドも同じようなワークスタイルだと予想していたので、この違いには驚きました。これからの人生で、自分は何に価値を見出し、どのように仕事と向き合っていくかを改めて考えさせられるきっかけとなりました。

 2つ目はコミュニティ開発についてです。私は学部で秋田をはじめとする日本の地方のコミュニティ開発について研究をしていたので、キャロルさんの活動は特に印象的に残っています。最終日は、ニューヨーク郊外のウェストンにあるキャロルさんのご自宅と彼女が携わっているコミュニティファームや教育施設を視察しました。コミュニティファームでは、自分達のための花や野菜だけでなく、貧しい人々のための野菜も育てていました。また教育施設では、子どもたち向けのサマープログラムが行われていました。古いファームハウスを改築した建物では、1階部分が子どもたちの工作やアートのアクティビティに使われており、2階は住居として貸し出されていました。そこでの家賃は、コミュニティの活動に還元されます。夏は、日中に子供達がアクティビティのために一階部分を使用したり、住人はヤギの簡単なお世話や除雪剤の散布などの仕事をする代わりに、安く借りられるというシステムでした。このように住んでいる人も自分の家賃が社会のために使われ、運営側にとっても日々の管理をサポートしてくれる人がいるという双方にとってプラスな関係性が新鮮でした。
 また、教育施設でボランティアをしている高校生たちも2年目からはアルバイトとして給料をもらえたり、フルタイムのマネージャーを雇っていました。ファームハウスでは、そこで暮らしていたアーティストの絵を販売したり、パーティやイベントを開催してコミュニティの輪を広げながら、基金を集めるなど、経済的に自立しながら、地域の雇用を生み出す工夫がいくつもみられました。秋田では、自治体の補助金をベースに成り立っている活動が多く、学生はボランティアで雇われるケースが多々見受けられたので、このようなコミュニティ活動の持続可能性を感じました。

 そしてなによりも、キャロルさん、そして高野さん、原夫妻のように、社会のために人生の時間を使う大人の姿を近くで見ることができたことがとても勉強になりました。
 このような素敵な機会を与えてくださった原哲明様、原秀子様、高橋京子様、勤労青少年協会の皆様、そして関わってくださった全ての方に感謝しています。ありがとうございました。